レビュー
桂英史(東京藝術大学大学院映像研究科教授)

ぼくたちが向き合うべき「問い」にこそ、真のイノベーションが必要である。AIにできることを「教育」なんて言っていると、こどもたちは「好きなこと」や「やりたいこと」からますます遠ざかってしまう。時は、風雲急を告げている。「アンラーニング」と呼ぶ「探究」と「遊び」の更新で、AI時代における人間のあり方を再編集するナビゲーションシステム。それが『冒険の書』だ。ここにあらわれている、先人たちとの対話の背後に、これまでにない「野生の思考」の萌芽が、ぼくには感じられてならない。

松田恵示(東京学芸大学理事・副学長)

「世界は自分で変えられる」という言葉。実は、自分が変わることでもあるこの言葉こそが、教育の目的ではないのか。時代を超えて世界中の智慧者との対話を通し、自分ごととして問いを立て考え抜く「ぞっちゃん(孫泰蔵さん)」の思考の旅は、教育に悩みを持つだけでなく、生きることに迷いを持つ全ての皆さんに、衝撃と活力を必ず与えると思います。「当たり前」がただの「教育伝説」であることに気づくだけでなく、その殻を破ったときにどれほど自由な教育やこれからの社会が拓かれるのかと、ドキドキワクワクしてしまう本。学びと区別されない遊びの豊かさに、未来を生きる元気が湧き出してくる本です。こんな本に出会えて、ひたすら感謝

大賀康史(株式会社フライヤー 代表取締役CEO)

自分は比較的リベラルな人間だと思っていましたが、いや、まだとらわれていることが多かったなと、本書を読んで気づきました。3人の子供を育てている親として、起業した人間として、60人ほどの組織を運営する経営者として、一人の働く人間として、それぞれの立場からの納得、発見、反対意見が交錯する、素晴らしい読書体験でした。

小西利行(POOL inc. Founder・コピーライター )

自分の行動が「正解」だとか「間違い」だとかじゃなく、そういう「問い」を持ったことが良かったとか、迷ったりすることがむしろいいんだと肯定してくれる。何かに熱中しすぎることも、楽しみまくることも良いと背中を押してくれる。この本は、過去の自分を勇気づけ、未来の自分の指針をくれる、良き友人のような存在だ。

宮田人司(Mistletoe Japan Inc.)

孫泰蔵という人間は面白い。
いくつになっても好奇心旺盛であるから、元旦にSNSで急に書き始めた「新春シリーズ」を気が付けば一年も書いていたし、書いて行くうちに歴史の偉人達とチャネリングでもしたのか、オートマティスムのように書き続け、そして多忙な日々の合間を縫って本一冊ぶんを書き上げてしまった。その間にも真剣に若者達の相談を聞いたり、良きダディとして真剣に遊んだり、早朝深夜に私と真剣に馬鹿話をしたりもしていた。
ロックの話をし始めたら一晩止まらず、アートや酒の話をしても専門家顔負けの知識を持っているし、興味のある分野に関しては役に立つものから全くどうでも良い事まで脳のどこかに刻み込まれているらしい。
恐らく彼は、タクシーに乗って誰もが「根津美術館の方まで」と、つい口走ってしまう、その根津美術館が一体何の美術館なのかでさえ詳細に答える事が出来る。
そんな人間が孫泰蔵である。

この「冒険の書」は、泰蔵氏が旅した好奇心の地図であり、読者はこの本を手に自由に自分なりの旅をしたら良いと思う。
四十不惑という言葉があるように、彼も孔子と同じように学問に自信を持ち、進むべき道を確信して執筆を始め、五十知命の通り、天から与えられた自分の使命を悟り書き上げたのが本書である。
しかしながら、彼の探究心はまだまだ続くだろうし、私も大切な友として、そして兄弟として傍で見守りながらエールを送り続けたい。
「おつかれちゃん」と。

本書目次
はじめに
父からの手紙
第1章 解き放とう 
第2章 秘密を解き明かそう
第3章 考えを口に出そう 
第4章 探究しよう
第5章 学びほぐそう
おわりに 新しい冒険へ
冒険の書 AI時代のアンラーニング 孫泰蔵
taizoson.me
冒険の書 AI時代のアンラーニング 孫泰蔵